落ち着け、さくら。
最近付き合い始めたばかりなんだから、何もあるわけないじゃない。
……でも、密室なのに何もなかったら、あたしに魅力がないってことか……?
あぁ―っ!
さっきからあたしは1人で何を考えてんのよ―っ!
とにかく気持ちを落ち着かせよう。
深く深呼吸をして、頬をペチペチと軽く叩いた。
「ただいま―っ」
いつもより高いテンションで部屋に戻る。
「あ、あれ……?」
そんなあたしのテンションとは裏腹に、春はマイクも持たずにただ座っていた。
「あの?春?」
ただ音楽が流れるだけの部屋。
さっき落ち着けたばかりの胸が、また高鳴ってくる。
「あのさ、さくら……」
「うん?」
「ここって密室じゃん」
――ドキィ!
「そ、そうだね?」
「しかもこの部屋、一番端だよな?」
「そ…そうだね?」
な、何?
何なの!?


