「…まぁ…な」

「お前はちゃんと好きか?」



「好きに決まってんだろ!!」


俺がそう言うと、大河が後ろを見ながら
「…だってよ!!帆波♪」

と言った。




「…ホントに…好きなの?」

曲がり角の壁から顔を出したのは帆波だった。

「全部聞いてたの?」

「うん…ごめん。何か不安になってきたから大河に協力してもらってたの…。ごめんね」

「そうなんだ…」


沈黙する空気。
しばらくすると大河が話しだす。

「じゃっ……じゃあ俺はこのへんで失礼します!!…あとは2人で話し合えよ!?」

と言って走り出した。
大河の野郎…逃げやがった。