慌てる私の手を握る、律ちゃんと美羽ちゃん。
情けない、諦める、敵わない、といった顔をして私にひきつった微笑みを見せた。
「天然というか…」
「鈍感っていうか…」
2人は交互につぶやき、ため息をついた。
もしかして。
もしかしなくても、私のこと?
確かに、鈍いなって思う時はあるけど、そこまで酷くない……と思う。
「……ご…ごめんなさい……」
「いいよ、そこが沙紀の可愛いところだし」
「天然とか鈍感とか、めっちゃ可愛いしね……」
2人は手を握るのをやめ、私の腕を掴んだ。
え?と思った時はすでに遅くて私は手を引っ張られてた。
『今から屋上行くよ』

