そう言いながら木村は横になっているジョーに向かい腹に刺されたままのナイフを勢いよく抜いた。

「…フ…フフ…でも、もういいや…どちらにせよ、この探偵は遅かれ早かれ死んでしまう。そうなれば僕は殺人犯…なら、いっその事…ここでオマエら全員殺してやる!!…ちなみにこんな形で使うつもりはなかったが…未樹!!貴様名義の遺書を作っておいた!」

「えっ!?」

「これは本当は由里、博美を殺した後に貴様を自殺に見立てて殺し全ての罪をなすり付ける為の遺書だったがもういいや…新しいシナリオはこうだ。『高校時代の同級生がキャンプをしていたがその中の田村未樹が無差別殺人を犯し自らの命を絶った…遺書にも自分の犯行と書いてあり疑いの余地なし…』と…そして、運良く生き残った僕は無罪のまま平和に過ごすんだ。どうだ、いい筋書きだろう?」

木村は精神的におかしくなっていた。