(…えっ!?なんで、この人が??)

「…まぁ…オレが死ぬかどうかなんて分かんないが言いたい事は分かったから、アンタが今かけてきているそのケータイ…着拒にだけはするなよな…」

「…ええ、分かったわ。じゃあ、切るわね。」

「…あぁ。」

「…プツッ…ツーツーツーツー…」

ジョーは電話を切るなり冴子に説明を始めた。

「とりあえず外苑東通り辺りにいると思われてる稲本は場所的にも車の中で暮らしている車上ホームレスの可能性が高い。しらみつぶしに捜さず路駐の車から割り出すしかないな。」

「…ちょ、ちょっと待ってよジョー…なんで稲本数人なの?今の会話だけじゃ、ただ一方的にワタシ達に不利な条件を勝手にぶつけられただけだった様な気が…」

「…いや、そんな事ないぜ冴子…正直、なんでこのオレにホームレス暴行事件のリーダーの正体が誰だ?とかその犯行を何故、食い止めさせようとしているのか?って思っちゃだめなんだよ。そう思うから不利に感じるだけであって実は全てがフェイクなのさ…」