「だろ?ここは案外いいところなんじゃねぇの。たしかにあの変なお面つけんのはどうかと思うが、べつにいじめとかもないだろ?」
「住めば都だって、よくいいますからね」

「…私は地上に出てみたいです」

「なんだ、C。何か不満があるのが?」

「いえ、なんとなくです」

「まぁ、新しいものに関心があるのは分かるが、色々考えると、結局何か我慢することになるぜ。ここより生活がよくなるとは限らないんだ」

「地上に出て、ここに帰ってこれなくなるのは、不安です…」

AやDのような人とは、今後なかなか知り合えないだろう。

でも私は、消された記憶が気がかりなのだ。