「やあ、やっと起きたか」
Aの声が聞こえる。

僕が目を覚ましたのはベットの上だった。

「Dに礼をいっておけよ、ここまで眠ったおまえを連れてきたんだからな」

すぐAのそばにいるD
とみつめあう。

何も話さなかったが、それだけで充分だった。

「先輩……ごめんなさい……」

Aは、礼をいっていると思う。でも、

Dは悲しげな顔をして、遠い目で窓の外を見つめた。