公園らしき所へゆき、そこの芝生に座る。


「何か食べ物を調達してくるわ」
Aはそういって、その場を離れる。
「大丈夫かい?まだ震えている」
私の額に
手をあてる。
とても温かい。


言葉がでない。


たしかに、Dは他人に対して優しいし、
背が高いし、
シャツがきれいだし、それにかっこいい。


でも…

「先輩…こういうことは、いけないことだと思うんです…」


そのあと、Dは私を抱きしめる。

「いけないことなものか。
君は僕にこうされて、落ち着いてきている」

「先輩…」
地下に来て、ずっと孤独を強いられて来たわけで、にわかの自分とは比べられない
くらい、色々あり、

地下での生活が
長いDも、
辛かったのだと思う。

「ん…」



二人とも、何も話さない。


「…ごめん」

Dは、今度は目を合わさずに答える。

私は、
なにもかえさない。

Dは、おかしくなってしまったのか。
自分も、これからおかしくなるのか。


私は、自分からDに身を預けると、緊張し続けた疲労で、
意識が
なくなっていく。