初老の男性が向ける
舐めるような視線。

特定できない上機嫌になる理由。笑み。

今思い出して見ると、あの時もまるで異性を品定めするようにみていたのに、違和感を
覚えていたのだった。


私が背筋を寒くして、とっさに山羊のかぶりものを脱ぎ、
「なぜ分かったのですか」

と聞く。すると、
「分かるさ。何でもね」

ふふふっと笑う。

私はゾクッと震えた。