私たちは、歓迎会と同様に仮面をかぶり、隠し階段を降りていった。
その先は、下水道になっていて、灯りもついていることから、頻繁に人が出入りしているのだろうと、思った。
しばらく歩いていると、老人が、下水道が流れる水路の前で、折りたたみ椅子に座って、何か棒のようなものを、釣り竿を持っていることから、釣りをしているのだろう。

「釣れますかい?ごろうじん」
Aが、早速話しかける。
「おお、大物が三匹、釣れたよ」
しかし、バケツには一匹も魚はいない。
Aは、それにたいして、ほうと相槌をうつだけで、特に指摘はしなかった。