16:30

パーティも一通り終わり、少しずつ人が減ってきている中で、
私もどんぐりをすべて配り終えてAのいる席へ戻っていった。

Aは別れたときとそのままの格好でいるのもので、少し安堵を覚えた。
Dもとなりにいる。
私は、Aに話しかけた。


「そういえば、他の管理人の方はいないのですか?」
「さあな。そういやBの奴こねぇな。また辞めちまったのかもな」
「え?」


「恒例のパーティに来て見ると、決まって俺とDと、新しく代わったCしか
こねぇんだ。Bだの、Eだの、Fまでいるそうだから、本来は6人集まるはず
なんだが、3人しかこねぇし、仕事でも交代の時しか面識がない。
まったくどうなってんだ」

Aはだいぶ酔いがまわっているようで、ふだんよりよく喋る。

「毎回言ってるそのセリフ聞くと、年明けしたんだなってきになるよ。
なにしろ、あの事務室で万年すごすことになってから、季節感がまるで感じない」

Dも、そんなAを手馴れた口調で返す。
事を察するに、Aは一番の年長で会社で言う係長のような存在で、
管理人をまとめる役割をしているようだ。


でも、全員とはあったことがなくて、AとD以外はいつの間にか人が代わって
しまっている。原因は今のところよく分からない。


Aは肩書きでも長なのだから、その現状に内心苛立っている。
そんなところだろう。


「さて、酒は十分飲んだし、そろそろ帰るか。いくぞおまいら」
ふらふらになったAを、Dと私で支えて、管理室へ戻ることにした。

「さて、これから二次会があるわけだが、覚悟しとけよ」


「ふむ…」
Dは、何も言わなかった。
これもいつものことなのだろう。

「は、はあ…」

今日は、家に帰れそうもない。