ｶﾞﾁｬｯとﾄﾞｱを開けると、三人の男が振り返った。


私は、その中の一つの顔を見て固まってしまった…



別に知り合いとかじゃない。
ただ、なんか、くぎづけって感じ。


茶髪でﾜｯｸｽで少しだけ立たせた髪に、くっきり二重のまぶたの中にある大きな綺麗な真っ黒な瞳。
綺麗な唇に、高い筋の通った鼻。
まさに完璧−
って感じ。

｢りぃ、大丈夫？｣

私がぼーっとしていると美姫が話しかけてきた。


あー私、どうしたんだ??


｢あ、美姫ちゃん久々ー。｣

三人が美姫に話しかける。
佑斗は、ﾘﾝﾋﾞﾝｸﾞに行ってるらしい。

｢美姫ちゃんの友達？｣


私が美姫の横にちょこんと座っているとさっきの顔が話しかけてきた。


まぢ、耳が熱くなった気がしたよ。
赤面してなかったか、心配…


｢あ、はいっ…梨依子って言います…｣


｢可愛いー名前だね｣
彼はそう言って微笑んだ。



やばい、可愛い。
一目惚れ？駄目だよ自分。

｢俺、仁禾ってゆうから。ニカね。｣

｢個性的な名前ですね!｣

私はぎこちない笑顔でそう言った。

個性的な名前とか、馬鹿にしてんのか−って感じだよね…。


｢ｱﾊﾊ!個性的とか!笑
梨依子ちゃんウケるわ。
美姫ちゃんの友達って事は中二なんだ??｣


よかった…笑ってくれた。
よかったのか…？

笑うと、あんな大きな目がくしゃっと細くなるんだなぁ…。


｢あ、はい。中二です!えっとニカさん達は何歳なんですか？｣


｢俺等高二〜!!!｣

私がニカさんに質問してると、後ろから佑斗さんが酒の缶を手に持って割り込んできた。


正直、邪魔……だった。


｢なになに〜？二人いい感じ？ニカ、手早いって〜彼女の友達なんだから大事にしてや。｣


佑斗さんがｹﾗｹﾗとそう言った。


え、ニカさんって軽いの？


私は幻滅の色が顔に出てたと思う−