「も、もしもし?」

『あ、俺』

「誰…?!?」

『あ、ごめん!翔!』

「ああ〜…なんかありました?」

『ね、今ちょっと外出れない?』

「親に許してもらえないよ多分」


『ちょっと!本当ちょっと!家の前でいいから』


「…わかりました」

親に頼んで外にでる。

本当は簡単に外になんか出して貰える。


「りぃちゃん!」

ドアを開けた瞬間、翔さんの笑顔と声が飛び込んで来た。

「どうも…」
気まずくて素っ気ない態度になってしまう。


私が誘って公園に行く事にした。
家の前で話して親に見られたくない。

「俺さ中学の頃からりぃちゃんの事知ってた」

いきなり話し出す翔さん


「え、うちの事…?…」

「りぃちゃん覚えてる?」

....何を?


「え?」

「学校で俺らが色々やらかして、1年の子に迷惑かけちゃったの」

「ああ〜」


鮮明に思い出していく。

「りぃちゃんその子を守るようにして俺といたもう1人の奴にキレてさ、調子こいてんなーて思った(笑)」

「うわっ酷い…!!!」

「(笑)でも、段々りぃちゃんばっか見るよーになっちゃって、友達に優しい超いい奴とか思って」


「いやいやいや」
今度は照れる私。


「だから今日、美姫ちゃんに頼んでりぃちゃん呼んで貰ったんだよ」


「どうしても忘れらんなくてさ〜頭から離れねぇっつーか」


…なんかうれしい。
こんな風にゆわれたの初めて。





「俺じゃ、ダメ?」


…ううん………

ダメな訳じゃない、
良い訳でもない、


「明日答え出させて!ごめんね、翔さん」


「わかった!じゃあいきなり呼び出してわりぃ…送るわ!」




見た目からは想像できない優しさがある。

ううん…この人にしても…
大丈夫かな??


送って貰ってる最中ずっと考えてた。





「じゃ、明日ね…」

「おう!」



−ガチャ

玄関のドアを閉めると自分の部屋に向かった。