ようやく私は外の世界を、
初めて自分の目で見ることになります。
月に無線をして、
今日の私は清楚な格好です。
紺のロングスカートに白のワイシャツです。
男の人はようやく私に気がつきました。
「あれ?」
「はじめまして…どうも…」
私は緊張しています。
男の人と初めての会話なのです。
「え…」
「あの…はじめまして」
「ちい…小さいですね…」
「はい…かぐや姫ですので…」
「こんなに小さいのですか…」
「あ、あの…私を手のひらに乗せてくれませんか」
「え?」
「あの…少しずつ大きくなりますので」
その男の人は怯えながら、
手を差し出してくれました。
「それでは…失礼します…」
私は軽くジャンプして、手のひらに乗りました。
「あ、忘れ物…」
私はカバンを取りにまた竹へジャンプして戻り、
またジャンプして手のひらに戻りました。
「宜しくお願い致します」
私は深々とお辞儀しました。


