「だから今日は、これは付けないよ」

そう言って、手に持つ首輪を掲げる。
あれは、いつも彼が俺に着ける物だ。


俺が自ら望んで首輪を着けてるのか。
それは断じてない。

いつもいつも言いくるめられるか
押し負けるかで、半強制で仕方なくだ。


そもそもそれ、犬用じゃないか。

普通にペットショップで買った物だ。
……俺同伴で。


思えばあの頃から、
俺は彼に嵌められていた。