「……あれ、今日は早いんですね?」


支配されている中、鼓膜を震わせたのはよく聞いたことのある声だった。

頭の中で誰だか予想しつつ、振り向いてみるとやはり予想は的中で。



というか、何でこの人はこんなに涼しそうなんだ。




爽やかに笑いながら「また会っちゃいましたね」とか言ってる早坂彼方は何だか少しムカつく。



「とりあえず中入ります?」
「…………入る」



私の人生はこの些細な出来事から変化していく。