切ない恋物語

マックに入ると、色々話し始めた。
「坂城くんってさ、今まで彼女とかいたの?」
夢果はストレートに聞いた。
「うーん、微妙かなぁ」
慶斗は言った。
「微妙って?」
「遊びで付き合ってたから。本気じゃなかった」
「そうなんだ」
「人を本気で好きになったことないの?」
沙姫が聞いた。慶斗は少し間を置き、
「あったよ」
と言った。その時、また一瞬だけど悲しそうな顔をした。






慶斗を見て、話しを変えた。
「夢果と沙姫ちゃんは、今まで付き合ったこととかないの?」
俺は聞いた。
「私はないよ」
夢果は言った。
「私も」
沙姫は言った。





以外だった。





「永遠は?」
夢果が聞いた。
「ないよ」
俺は答えた。
「告られたことは、あんだよな?」
慶斗が言った。
「そうなんだ。モテそうだもんね」
夢果がポテトを摘みながら言った。
「そうでもないけど…」





それからしばらく、話しをして盛り上がっていた。
「今度、四人で遊びに行かねぇ?」
慶斗が言った。
「いいね。行こう」
夢果ははしゃいでいる。
「永遠と沙姫ちゃんは?いいか?」
「俺はいいよ」
「私も」
「じゃ、決まりってことで」






今週の土曜日に遊ぶことになった。
マックを出て、俺は夢果を慶斗は沙姫を送って帰った。





俺はあの時の、慶斗の悲しそうな顔をもう忘れていた。