「てめぇら…俺の縄張りで何してんだ?」
不意に背後から聞こえてきた低い声
「あん?」
男達は一斉に後ろを振り返った
そこにはポケットに手をツッコミだるそうに立っている男が一人
高い身長に絵になるほど綺麗な顔立ち
わたしはいつの間にか男に見とれてしまっていた
「さっさと離せよ」
「てめぇ…俺達なめてると痛い目みるぞ」
「そうかよ…面白れぇな」
男が切れ長の目を細め少しだけ唇を上げた
そして手をボキボキと鳴らしながら前へ出た
男から放たれるオーラ…
ただ者じゃない…
「おい、こいつ…もしかして…」
その瞬間男達も何かに気づいたのか慌て始めた
「やべぇぞ…"アイツ"だ」
「ひぃ…」
さっきまでの威勢は0
わたしを押しどけると一目散に逃げ出した
わたしはその反動で地面へと倒れた

