やばいなぁあたし...。


こんなことで泣くなんて。



涙をこぼして
廊下を走りながら生徒玄関に向かう。


「バカじゃん…」



桐野くんにはもう、
心に決まってる人がいるんだ。



まだ唇を割って入った

彼のあの舌の感覚が残っている。




もう最近

ずっと彼に振りまわされるばっかりだ。




最初は

こんなやつ
顔だけいいだけで最低っ!



とか思ってたのにな...。



ほんとに


あのままでよかった。



そうすれば
こんなに傷つかないから。