あたし、 この人を越すことは たぶん一生ないんだと思った。 「わかんないけど...大丈夫。1人で出来るから...」 そう言って 帰る準備をしようと 鞄に入れようとしていた 筆箱に手を伸ばした瞬間、 その手首は掴まれた。 「...えっ…?」 トクン... 掴んだのは もちろん桐野くんで……。 「わかんねんだろ?」 「う...うん。でもっ...」 「俺が教える。」 こうして あたしと彼の 2人だけの補講が始まった。