「解けた。」 得意げな顔もなしに 無表情で問題用紙を返す彼に 対抗心を抱きながらも 本音はカッコいいと思ってしまう。 「すごい...ホントに解けてる」 「学年1位、舐めんなよ」 「あたしだって2位なんだけど...」 1位と2位の差が どれだけのものか…。 ここに証明されました……。 「で。わかったの?」 「へ??」 「やり方」 桐野くんの解いた式を見ても 全く理解できないあたしは 苦笑いで応えた。