ガタンッ... 茉那が勢いよく立ちあがったので、 机とイスがあたって 大きな音が響いた。 「茉那?」 「ごめん優科ッ」 茉那はケータイを持ちながら、 反対の手で鞄をとって 教室を出た。 「ちょッ...茉那……」 どうしちゃったんだろ... いきなりあんな急いで...。 不自然な茉那を気にしつつ、 問題用紙に目を向けた。 「...解けないよぉ……」 「あ。」 教室の入り口の方から 胸を弾ませる低い声がした。