あれから、

桐野くんとは
微妙な距離を保ちながら



あたしは夏休みを迎えて、




今日は茉那と
学校の夏期講習に来ている。



「あっつ~…クーラー効いてないの?」


「ほんと...暑いねー…」


「てゆーか、皆ほとんど来てないじゃん」



窓際の席に座り、
下敷きで首元を仰ぎながら


茉那はほぼ空っぽの教室を見渡した。



「だねー…サボり?」


「そうみたい。うちらもサボる?」


「え、それは...」


「うそうそ。んなことしたら、優科の評定下がっちゃうもんね」



そう。
特待生だから

真面目ちゃんでいなければならない。