出会いは密室で[完]





気付きかけた自分の感情に、
あたしはギリギリのところで


ブレーキをかけた。



ダメ。気付いちゃ...。


「今朝はほんと、ごめんね」

「あーマジ重かった」

「なっ...」


桐野くんの言葉に
頬を膨らますあたしを見て、


彼は「ぷっ」と吹きだした。




トクン...トクン...。

ほらまた...。
脈が静かに波を打つ。



この無邪気な顔に、
女の子は惚れちゃうんだろうな...