出会いは密室で[完]





「え。」



「なになに?なんて書いてあったの?」


「いや...今日家におばさん来てるらしくて...」

あたしは
ため息交じりに答えた。


それじゃあ
家で勉強できないじゃーんっ。



「じゃあ...茉那んち来る?」


「んー…。でも大丈夫。なんとかするし」



とはいったものの...。

どうすっかなぁ……。



「あっ!図書室、行ってみたら?」

「図書室?」

「そうそう、放課後だから誰もいないし、集中できるんじゃない?」



目からうろこ。

あたしは目を丸くした。



「じゃあ、さっそく行ってきますっ」


「うんっ、頑張れ優科!」



茉那のおかげで
勉強がはかどりそうだよ。



そんな感謝の思いで、
手を振って茉那を見送った。







まさか、


このことが
あたしの運命を変える


きっかけだったとは知らずに。