ハァ~……。 「どうしたの~?溜息なんてついてー」 「別にー」 居間の後ろの台所で 野菜を切るすっかり元気なお母さんに 素っ気ない返事を返した。 「もしかして...恋の悩み?」 「なっ...」 「あらやだ、図星~?」 「違うよっ!」 思わずムキになったあたしに、 お母さんは振り返って 怪しげに口角をあげる。 ……なにこの笑顔...。