だけど いまはすごく大切な場所なんだ。 だってここは... あたしと桐野くんが 『出会った場所』―――――― 「失礼しまーす......」 相変わらず人気のない 静まり返ったこの部屋に いつもの席で 文庫本を読むあの人の影を見つけた。 背格好を見るだけで 鼓動が早まって 呼吸の仕方を忘れる。 そんな瞬間を与える人は あたしの中でただ1人。 「...きッ桐野くん…!!」