出会いは密室で[完]



てゆーか...。

なによ、
いきなり手首掴んで…。


扉の前に座っているあたしは、


掴まれた右手首を
左手でさすりながら彼を見据えた。



悔しいけど...。

冷静にみるとやっぱり
めちゃくちゃ顔整ってるし...。



「なに?」

「えっ、いや別に...」


なにあたし、
そんなに視線バレバレだった?



「あの...。」

うわ、何話しかけてんだあたし。


「お名前は...」

「桐野遥人。」


口以外、
どこも動かさずに

そっぽを向いて桐野くんは応えた。