「その人はね、幼馴染なの。」 「幼馴染...?」 じゃあもしかして... 「この前。渡り廊下にいた、あの人」 桐野くんは 冴美さんと幼馴染だったんだ。 「そ...うなんだぁ。」 「でもね、なかなか振り向かすこと、できなくて...」 話している彼女は 頬をポンっと赤らめて 今までとは打って変わって 子供のようにもじもじしていた。 本当に『大好きな人』なんだって 伝わってくる。 言葉にも 行動にも 顔にも すべてにそれを感じた。