「……。 惚れた女守んのに、理由なんかいらねぇよ」 ―――え? 私は思わずパッと顔を上げて悠基を見た。 ついさっきまで悠基から意識を逸らしてたくせに、スッとこの言葉だけは頭に入ってきた。 「肩書きなんざ、どうでもいい」 悠基はそう言うと私の方へと歩いてきた。 悠基との距離は5mほど。 「“天姫”とか関係ねぇ」 ここでちょうど、悠基はピタリと私の前に止まった。 私の右手を持ち上げ、少しかがんで、 ・・ 「お前に惚れたんだ」 手の甲にキスを落とした。