「もう我慢できねぇ。 できるわけねぇだろ?」 そう言うと、また両手で抱きしめられた。 今までよりも、きつくギュッと。 ドキドキするけれど、耳から伝わる悠基の鼓動に安心する。 「―――お前のこと、好きだから」 『……え?』 今、なん、て……? 好きって、言ってくれたの……? ドキドキしすぎたせいで、幻聴が聞こえたのかと思った。 悠基の顔を見たいけれど、強く抱きしめられているから動けない。