『え……?』 悠基はため息混じりに声を発したけれど、私には何のことだかさっぱりわからない。 「あん時決めたんだよ。 お前を初めてバイクに乗せたとき」 そう言うと、悠基は私の頬に指をはわせた。 まるで涙の痕を消すかのように、優しく愛しそうに。 「お前が話してぇって思うまで、無理に聞かねぇって」 『あ……』 思い出した、悠基の言葉。