しばらく私たちは無言のまま、お互いの体温を感じていた。 そして、私の涙が完全に乾ききったことに気づくと、悠基は私の腕を引っ張った。 くるっと回転させられて、悠基の腕の中で向かい合わせになる。 近すぎる悠基にありえないくらいドキドキして下を向くと、 「顔、見せろよ」 と、あごを掴まれた。 愛しそうに瞳を向けてくる悠基から、逃げることなんてできない。