はぁ。 いつもの“男”を見せてもらわんとな。 俺は魂の抜けた悠基に近寄ると、ドスッと腹を殴った。 「ってぇ……」 むかつくことに、俺が殴っても声1つ漏らしよらへん。 いきなり殴ったのに、咄嗟に受け身とっとるし。 それに、なんちゅう固い腹筋や。 俺の手ぇが痛いわ。 「目ぇ覚めたか?」 でも、こんくらいの効果はあるやろ。 俺は、痛い手ぇを振り回しながら悠基に話しかけた。 この際どうでもええけど、俺、かっこ悪。