でも、俺はまだ若歌とは話せずにいる。

若歌が透たちに会いに俺らのクラスに来ることはないし、廊下でもほとんど見かけない。

6クラスある中、俺は1組で若歌は6組。
会うことの方が珍しいぐらいだ。
しかも、若歌は俺を避けてるらしかった。

そんなある日、俺は持っていた本に目を向けながら歩いていると、前から来た人にぶつかった。


「うわっ、ごめん」


そう言ってぶつかった人物を見ると、俺は戸惑いを隠せなかった。


「若歌‥‥」

「‥‥悟」