教室に帰る途中、廊下に若歌が立っていた。
俺は百合に先に教室に帰ってもらって、若歌と壁にもたれた。


「悟さぁ、竹下さんとどんな関係なの?」

「は?百合?ただの友達だよ」

「だってやけに仲良いじゃん」

「それは小学校からの友達だし、碧依の親友でもあるからさ」


百合との仲を気にする若歌に、俺は首を傾げた。
最近若歌がよく分からない。
それだけを聞くと、若歌は教室に戻って行った。

鈍感な俺は、若歌の気持ちには気付かなかった。