幼なじみ物語2

その隣で若歌がおもしろくなさそうな顔をしていた。


「若歌?」


俺は不思議に思って若歌に声をかけた。


「碧依って子とどんな関係なの?」

「ただの幼なじみだよ」

「ふーん」


拗ねるようにそっぽを向く若歌を気にしながらも、俺の部屋へと向かった。


「意外と片付いてんだな」


部屋を見渡しながらからかうように透が言った。


「意外とってなんだよ」

「だってお前の机の中ヤバいじゃん」


思い出して爆笑する透の頭を俺はバシッと叩いた。


「ていうか、散らかる度に碧依が掃除してくんだよ」

「碧依ちゃん、奥さんじゃん」

「うるせっ」


碧依が好きな俺は、恥ずかしさを隠しながら、今度は笑う肇を殴った。

俺を睨みつける若歌の視線には気付かずに。