幼なじみ物語2

「ねぇ、悟。昔、あたしがピアノの発表会で緊張してた時、悟がかけてくれた言葉覚えてる?」

「えっ‥‥?」


碧依はピアノを習っていて、コンクールや発表会の度にものすごく緊張して。

子供ながらに俺も励ましていたけど、いい言葉なんて言えなかった。

そんな中、俺が言った言葉。
正直覚えていなかった。


「“碧依ならできる。自分を信じろ。”」

「‥‥‥あっ!」


あれは小5の時だった。

緊張のあまり泣きそうな碧依の両手を掴んで俺は言ったんだ。

“碧依ならできる。自分を信じろ。”


「すごいシンプルな言葉だけど、あたしはそれで勇気をもらったよ。悟のおかげで、楽しくピアノが弾けた」