怒りで頭が狂いそうだ
人気の無い非常階段まで来たところで
姫奈をぎゅっと抱きしめる
「龍…っ…息できないよ」
「いま俺、すげぇかっこ悪い
姫奈が他の男に触れられて
ありえねぇくらい嫉妬してる
もし俺が一位とれなくて他のやつが
姫奈触るとか考えたら、俺…」
「龍…」
姫奈が俺を包み込むように
俺の体に腕を回してくる
「私もだよ」
「え?」
「私も龍が他の女の子に
触れられるって考えたら耐えれない…
だから全然かっこ悪いとか思わないよ?
というか…」
もごもごと先を言おうとしない姫奈
その小さくなった姿が馬鹿みたいに可愛くて
「というか…何…?」
「なんでも…ない…」
軽く唇にキスをする
「言えよ」
ついいじめたくなる
ちょっと強気な俺に姫奈は弱い
ほら今だって顔真っ赤だ
「恥ずかしいからいや…」
「言ってよ…」
そして耳元で優しくささやく


