あのセリーヌとメアド交換しちゃった！


そして今度二人きりで会う約束をしたということで、俺はすっかり有頂天になっていた。


セリーヌから指定された日に、俺はルンルン気分で待ち合わせ場所の喫茶店に向かった。


席に座り待っていると、セリーヌが店に入ってきた。


その瞬間、ただならぬ空気を感じ取った他の客達が一斉に彼女の方を振り返った。


すごい光景だった。


まるで磁石に吸い寄せられる砂のように、周りの人間の意識が一斉に彼女に吸い寄せられたのだ。


「これがスターか・・・」


俺は思わず心の中でつぶやいた。


「超キレイ・・・」


「あれ、ひょっとしてＰｏｏｈ！の石川じゃねぇか？」


ざわつく店内を尻目に、セリーヌは俺を見つけ、こちらに歩いてきた。


「こんにちは。今日はお呼び立てしてすみません」


「いえいえいえ！とんでもないです。どうぞ座ってください」


この時はさすがに誇らしい気持ちになどなれず、客達の視線がとにかく気恥ずかしかった。