思わぬ形でセリーヌと密室で二人きり!


「あの、石川さんとこうしてお会いできて光栄です」


「本当ですか?嬉しいです。私もかなに薦められて銀波さんの小説読んでるんですよ。とっても面白いですよね」


そう言って、セリーヌは微笑んだ。


落ち着きといい、立ち居振る舞いといい、とても二十歳の女の子とは思えない。


かなぷーは良くも悪くもそこらへんにいそうな感じだが、セリーヌはまさに選ばれし人間といった感じだった。


「銀波さん、今度よかったら二人でお会いできませんか。あっ、香奈子にはないしょで」


セリーヌの突然の申し出に驚いたが、


「わかりました。じゃあ自分の番号とアドレス送ります」


「じゃあ私のも」


赤外線送信で番号とアドレスを交換した。