ゆっくりと顔を上げた巧先生の目はまだトロンとしていて、寝ぼけているみたい。 「巧先生、風邪ひきますよ」 「………」 「巧先生?」 巧先生に会えて温もりを増した私の心臓は、 「………花菜?」 瞬時に凍ったように冷えた。