幸せの残量─世界と君を天秤に─



コンコン

「巧先生…?水上ですけど」


休憩室の扉をノックしてみても返事はない。


「巧先生?」


そっと扉を開けると、机に突っ伏して寝ている巧先生を発見。


「…可愛い」


流石巧先生。寝顔も見惚れるほど綺麗でした。


近付いて傍に立っていると、ふとそのサラサラな髪を触りたくなって、

そっと手を伸ばした。


「……ん…っ」


髪の先端に触れた瞬間、巧先生から声が洩れて、弾かれるように手を引っ込めた。


私ってば何を……。