幸せの残量─世界と君を天秤に─



それからも私はことあるごとに巧先生を避け始めた。


や、避けたっていうか、隠れたというか……。


今も前から巧先生が歩いてくるからちょっと柱の影に、ね。


うーん……。

通り過ぎる度に、ほっとしたような……さ、寂しいような。


「おい」


「ひゃあっ!!」


急に後ろからかけられた声にびっくりして、おもいっきり振り返った。


「た、巧先生……」


そこにはいつもと同じ顔をいつもとは違うように少し不機嫌そうにさせた巧先生が立っていた。