幸せの残量─世界と君を天秤に─



お医者さんにしては…初めて見たな。


……多分。

小さい頃から通っているから、大体の医師の顔は覚えてる……と思う。


「亜優美ちゃーん。携帯忘れてるよ」


ナイスなタイミングで現れた裕司先生。

てか私携帯忘れてたのか。危ない。


「あれ、巧」


「龍崎……」


「先生、お知り合いなんですか」


「うん。大学時代の友人でね、この前うちの病院に移って来たんだ」


へぇ。

この前移って来たんだったら知らないや。