幸せの残量─世界と君を天秤に─



裕司先生もいい人なんだけどねー。


そんなことを考えていたら、またやってしまった。


…いい加減学習しようか、私。



ドンッ


「すみませんっ……あ」


見上げると、昨日の人がいた。


「…コーヒーさん」


「誰がだ」


動揺して、そんな風に呼んでしまった。


ふっとこの人の右腕を見てみると包帯が巻かれていて、……罪悪感。


「あの、昨日はすみませんでした。…お医者さん、だったんですか」


「ああ……」


思わず見入ってしまうほど、その人の白衣姿は似合っていた。