幸せの残量─世界と君を天秤に─



丸く目を見開いて暫くポカンとしていたあの子。


「………」


「………」


「………」


え、そんなにびっくりさせた?


いつまで経っても固まったままの目の前の子に心配すら憶える。


「えーっと……大丈夫?」


目の前で手を軽く振ってみる。


「………を」


「え?」


「何を、言ってるの?」


「っ、……」


そ、うだよね。
わざわざやってくれていたのに、こんなこと言われて……。

気分悪くするのも当たりま…


「あたしってワガママなの」


……え?