幸せの残量─世界と君を天秤に─



そんなことを言いながらもソファーから腰を上げる巧さん。


「仕方ない。今日は送ってやる」


「いや、いつも送ってくれるじゃないですか」


「………」


「照れてますね」


「一旦黙れ」


いつものやり取りを繰り返しながらマンションの駐車場へ向かった。



「……相変わらず黒光りする車ですねぇ」


高そうな、というか確実に高い車に乗り込む。


「嫌なのか」


「いえ、とてつもなく似合うので不満は全くありません」


この車は巧さんに本当によく似合う。

クールな雰囲気が似ているのかな。