幸せの残量─世界と君を天秤に─



店内は然程広くはないけれど、どことなくキラキラしている気がする。



「どれ?」

「いや、そんな直ぐには決められないですよ。一緒に選びましょう?」


サプライズなんかじゃないのは、巧さん仕様。

だって巧さんがプレゼントなんて想像できないんですもん。



キラキラ光るピアス

シャランと擦れたブレス

可愛らしいネックレス


――…小さなリング


まるで、ここだけ違う空間のような。不思議な感覚に、どこかふわふわした気分。


「なんか…目がチカチカしそう」

「ばか」

「だって気持ち的に眩しい気がするんですもん…」

「なんだそれ」


呆れたように声を漏らす巧さん。取り敢えずそれを流して、暫く店内を回っていた。



「あゆみ」

「はい」

「……これは?」


ある一ヵ所で足を止めた。

若干躊躇いがちに指を向けた先にあったのは、太めのゴールドリング。

二本に別れていて、クロスされたところに小さなストーン。


「綺麗…」



派手すぎないそれは、とても

とても綺麗で。


「……っ」



なんだか
怖くなった。



自分でもわかっている。

これは私の悪い癖。
いらない思考。

だけど、でも、


一瞬でも過れば、もうダメ。


「あの、巧さん…私やっぱり、その……」


「……」


「ごめんなさい…、でも…」



そんな私を引っ張ってくれるのは


「あゆみ」

「っ、」


「…亜優美」


いつだって、貴方の柔らかい声だった。