「……。いやー、最近の若者はお世辞が上手いですねー」
「俺は気に入らない」
「あれ、奇遇ですね。私もです」
「……ばーか」
「何でですかー」
「いいから、もう寝てろ」
そう言って、巧さんは私の頭に手を置くけれど。
「いや、さっきまで寝てましたもん。眠くないですよー。構ってください」
「ふーん?まあ、いいけど?」
ニヤリと笑った巧さんに寒気がした。
「あの、私、発作が起きたんですからね」
「わかってるけど」
絶対わかってないじゃないですかー!
そう言ってもこのドSに届く筈もなく。
「黙ってろ」
「む………っ」
喋る間もなく塞がれた。
軽く重なるだけで、触れては離れて、すぐにまた重なるを繰り返す。
たったそれだけで心拍数が上がるなんて。
もしかして私、自分で寿命縮めてるのかな、なんてクダラナイことを考えた。
たとえそうだとしても、きっと止めることなどしない癖に。